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恋がしたいと言いながら
第12章 ホテルえっち
 昂る気持ちをもう抑えられず、私は優也くんを引っ張るようにして駅から程近いラブホ街に入った。
「ごはんとかいいの?加奈」
 彼がくすくす笑いながら、わざとゆっくり歩いているのがわかる。
「いい。そんなのいいから……」
 言うことを聞かない大型犬を散歩しているみたいに、彼の腕をぐいぐい引きながら歩いていく。
 それとも犬は私のほうだろうか。
 さっきから身体が熱くて、ひどく疼く。披露宴でお酒もけっこう飲んでしまったせいかもしれない。
 やっと適当なホテルに滑り込むと、もう我慢できなかった。
 部屋に向かうエレベーターの中から、私は彼の柔らかい唇をぴったりと塞ぎ、夢中になって吸い付いた。
 メンズコロンのほんのり甘い香りが鼻をくすぐり、頭がますますぼんやりしていく。
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