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恋がしたいと言いながら
第14章 鏡オナニー
 そんなふうにときどき自分を慰めながら、私は淡々と日々を過ごしていた。
 優也くんに会えなくても仕事はしなくちゃいけないし、なんでもないような顔をして生活していかなくちゃいけない。
 例えばこういうとき、泣いて喚いて取り乱して、恥も外聞もなにもかも捨てて、彼に会うために手段も選ばず突っ走ってしまうような、そういう情熱を持った人間だったら、と思うことがある。
 もし、私がそんな女の子だったら、こんなことにはならなかったかもしれない。
 もっと最初からなにか違っていたかもしれない。
 大好きな彼にもうずっと会っていないのに、どうして私はこんなに落ち着いているんだろう。
 可愛げのない、つめたい人間だからだろうか。
 なんだかんだ言いつつ私を心配してくれている亜実と真由ちゃん。
 対照的だけど、自分の感情に素直な土井さんとひとみちゃん。
 彼女たちのほうがよっぽど真心があるような気がする。
 やっぱり、優也くんに会っていないときの自分は嫌いだ。
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