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恋がしたいと言いながら
第16章 本当の気持ち
「そういえば最近、あの子とはどうなの?」
 真由ちゃんがミルクティーに沈むタピオカをくるくるかき混ぜながら言った。
「あー、確かにこの頃ぜんぜん話、聞かないねぇ」
 亜実がアイスコーヒーに浮かんだクリームを崩しながら頷く。私はアイスティーをひとくち飲んだ。
「うん。もうぜんぜん会ってないもん」
 少し、空気が固まったのがわかった。けれど気付かないふりをして、私は続けた。
「もう会えないと思う。終わっちゃったみたい」
 さらりとそう言うとふたりは拍子抜けしたような顔を見合わせてから、それぞれ飲みものを飲んだ。
「……ま、良かったんじゃない?これを機に次はちゃんとした相手、探したら。祥子みたいなこと言いたいんじゃないけどさ」
 真由ちゃんが言うと、亜実が思い出したように吹き出した。
「祥子ね!あれはなかったよねー。何様かと思ったもん」
「ちょっとねー、ひどかったよね」
 ふたりと一緒に、私もケラケラと笑った。
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