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1991〜バブルが生んだ甘えん棒、女海原をイク!
第6章 ひろみ
その夜、契約の説明で遅くなった2人は、社に連絡を取って直帰する事になった。これはチャンスと聡太は考える。
「森さん。食事でもしていかない?初契約のお祝いに奢るよ」
「ありがとうございます。土屋先輩のおかげです!」
(先輩だって!いいね、学校の部活みたいで)
聡太は男子校の出身で、もちろん帰宅部だった。女子と触れ合う事も、スポーツで汗する事もなく、ダラダラと毎日を過ごした学生時代。
今更ながら、青春しとけば良かったと思うのであった。

「カンパーイ!」
聡太とひろみは、初契約の祝いに居酒屋に来ていた。
バスで電車の駅前まで戻ると、すでに午後9時頃。出先なので、遅くとも1時間くらいで切り上げないと、帰りの電車を乗り継いでの帰宅は困難になる。
「それで、私より3ヶ月前に入社した女性社員が、すごい威圧的なんです」
ひろみは、よくある女性社員同士のつばぜり合いを、さも重大事項のように話す。すでに中生とサワーのグラスを2杯は開けていた。
「わかるよ。どこの部署でも人間関係の問題は尽きないからね」
良き理解者を装う聡太。
「でも、本当に疲れちゃうんですよ。私が弱いのかしら?」
「それは違うよ、ひろみちゃん。人間関係で悩むのは、心が弱いからじゃない。それが社会に出て働く俺たちの、最も重要な生存競争だからさ」
ひろみは、聡太の言葉に顔を上げる。
「生存競争?」
「そう、世の中喰うか食われるか。世知辛いとは思うけどね。それでも助けたり、助けられたり。感謝したり憎んだり、いいんじゃないか、僕らは獣じゃない。人間だもの」
どこかの本で読んだ、もっともらしい事を言ってみる。
「凄い、聡太さん。なんか吹っ切れた気がする!」
ひろみは目を潤ませて、聡太の顔を見ている。いわゆるソンケーの眼差しである。
「それは良かった。よし、ひろみちゃんの華々しい未来へ乾杯だ!」

結局、店の閉店時間を過ぎ、都心に戻る電車はすでに無くなっていた。
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