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真面目で優秀な、憧れの生徒会長はDQNに弄ばれます
第6章 爪痕
「うわ、なんだよこれ」
「ちょっと、机めっちゃ倒れてる!」
体育の授業が終わり、戻って来た生徒達が見たのは、先程舞が蹴り飛ばされた時に荒れた教室内だった。
既にカズオと舞の姿はない。
倒れた机と、中から飛び出た教科書や筆記用具だけが放置されていた。
「どうしたの?」
体育の授業が終わり、いち早くジャージを着た鮎美が生徒の一人に声を掛ける。
(ジャージ着ても全然隠せてないけどな……)
そんな中、ひとりぽつりと思う雅明。
「八木さん、教室が……」
「……」
表情はあまり変えず、無言で教室内を見渡す鮎美。
何を思っているのか、何を考えているのかそこからうかがい知ることは難しかった。
「なあ、これさ、カズオじゃないかな……」
「カズオって……秋山カズオ!?」
「え!?」
秋山カズオの名前が出た瞬間、生徒たちにざわめきが広がる。
カズオが本格的に非行に走ったのは中学生からだが、小学生の頃は小学生なりに暴力癖のあることで有名だったカズオ。
同じ小学校出身の生徒たちにとっては、この教室の状態からカズオを連想するのは必然だったのかもしれない。
「秋山カズオ?」
何人か首を傾げるのは、不良とは無縁且つ違う小学校出身の生徒達。
鮎美と雅明もそうだった。
「ヤバいやつだよ、最近少年院から出てきたって噂があったよ確か」
「俺は暴力団入ったって聞いたけど」
「え?山奥の不良しか行かない学校に転校したんじゃないの?」
「坊さんの修行行かされたって誰か言ってたよ」
(へー、そんな漫画みたいなやつがこの学校にいたんだ)
どこか他人事で雅明は思う。
だが、それと対照的なのが鮎美だった。
「その秋山カズオくんがやったんだとしたら大変だし、私は職員室行ってくるね」
「八木さん、秋山カズオとは関わらない方が良いよ」
カズオと同じ小学校出身の女子生徒が真剣な顔で鮎美に忠告する。
「うん。でも、他の学年とかで同じことがあったら、今度は生徒会でも対策しなきゃいけないかもしれないから。まだ秋山カズオくんがやったって決まった訳じゃないし、心配しないで」
「でも……」
「あれ?そういえば衣原さんいなくね?」
ここで生徒の一人がもうひとつの異変、舞がいないことに気が付いた。
「ちょっと、机めっちゃ倒れてる!」
体育の授業が終わり、戻って来た生徒達が見たのは、先程舞が蹴り飛ばされた時に荒れた教室内だった。
既にカズオと舞の姿はない。
倒れた机と、中から飛び出た教科書や筆記用具だけが放置されていた。
「どうしたの?」
体育の授業が終わり、いち早くジャージを着た鮎美が生徒の一人に声を掛ける。
(ジャージ着ても全然隠せてないけどな……)
そんな中、ひとりぽつりと思う雅明。
「八木さん、教室が……」
「……」
表情はあまり変えず、無言で教室内を見渡す鮎美。
何を思っているのか、何を考えているのかそこからうかがい知ることは難しかった。
「なあ、これさ、カズオじゃないかな……」
「カズオって……秋山カズオ!?」
「え!?」
秋山カズオの名前が出た瞬間、生徒たちにざわめきが広がる。
カズオが本格的に非行に走ったのは中学生からだが、小学生の頃は小学生なりに暴力癖のあることで有名だったカズオ。
同じ小学校出身の生徒たちにとっては、この教室の状態からカズオを連想するのは必然だったのかもしれない。
「秋山カズオ?」
何人か首を傾げるのは、不良とは無縁且つ違う小学校出身の生徒達。
鮎美と雅明もそうだった。
「ヤバいやつだよ、最近少年院から出てきたって噂があったよ確か」
「俺は暴力団入ったって聞いたけど」
「え?山奥の不良しか行かない学校に転校したんじゃないの?」
「坊さんの修行行かされたって誰か言ってたよ」
(へー、そんな漫画みたいなやつがこの学校にいたんだ)
どこか他人事で雅明は思う。
だが、それと対照的なのが鮎美だった。
「その秋山カズオくんがやったんだとしたら大変だし、私は職員室行ってくるね」
「八木さん、秋山カズオとは関わらない方が良いよ」
カズオと同じ小学校出身の女子生徒が真剣な顔で鮎美に忠告する。
「うん。でも、他の学年とかで同じことがあったら、今度は生徒会でも対策しなきゃいけないかもしれないから。まだ秋山カズオくんがやったって決まった訳じゃないし、心配しないで」
「でも……」
「あれ?そういえば衣原さんいなくね?」
ここで生徒の一人がもうひとつの異変、舞がいないことに気が付いた。