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儚き陽炎
第3章 独り言
真由子は朝の陽射しで目醒め、うつぶせのまま起き上がる。
頭の中がまだ起きていない状態で周りを見渡すと、
昨夜履き替えたショーツがベットの下に落ちていて、
受話器と離れた電話機がベットの上に転がっていた。

ショーツを手に取り広げて見ると、あそこの部分がパサつき白っぽく黄ばんでいて、淫臭を漂わせ汚れていた。
電話機を直そうと受話器を取ると、話し口の回りからショーツと同じく淫臭がし、昨夜の行為が甦った。

恥ずかしく、異様な昨夜の行為に真由子は、受話器にまとわり付く薄い淫臭の膜をティシュで何度もふき取るが、臭いは消えなかった。
電話しながらの自慰。

もし、誰かに聞かれていたら死んでしまいたい。
腰を激しく振り受話器をオメコに擦り付け大声で喘ぎ、気絶していた自分。

真由子は自分自身の変化に茫然自失状態でベットの上にへたり込み動けなかった。

真由子は、今までを振り返り

結婚前も付き合った男性もいたし、人並みの経験はしてきたつもりで今迄過ごしてきた。
主人とも最近は御無沙汰だが、結婚当初は求められれば応じていて、そこそこの快感も感じていた。

でも、自分から求めるほどの欲求は起きなかった。
反対に好色な視線で近寄ってくる男達を軽蔑すらしていた。

真由子は中学、高校と女子校で過ごし、ほとんど女の子同士で付き合った。
クラブの合宿で後輩に告白され初めてのキッスを経験し、お互いの家で親に内緒でベットの中でお互いの秘部を触り合い抱き合っていた。
女性特有の甘い匂いの中、性を感じていた。

そんな青春時代を過ごし、結婚後はピアノとエアロとお店で忙しい日々の毎日だった。

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