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乳母…めのと
第5章 乳母…5
隼人君は私じゃなくても大丈夫。私よりも子育て経験のある人が見てくれるんだし…家のお手伝いさんも家事がちゃんと出来るプロの人が来てくれるだろうし…

急に乳房が痛んだ。乳房が張り始めて痛みを伴っていた。

隼君、泣いてるのかな…?

最近は母乳の量も減り張ることもなかったのに、佐野宅から出た途端に乳房が張りだしたのだった。

ブラジャーに母乳が滲みてきてしまい、あおいは荷物からタオルとブラジャーを取り出し、上着とブラウスを脱ぎブラジャーを取った。そして、溢れた母乳をタオルで拭き、軽く右の乳房を揉み乳輪から乳首を摘み母乳をタオルに絞り出した。

「そう言えば、あおいちゃん!」
部屋のドアを突然開け川口が入ってきた。

「あっ…!」
あおいは咄嗟にタオルで乳房を隠したが、川口はあおいが何をしているのか把握出来ずに立ち止まり、我に返ると慌ててドアの外に出たのだった。

「ご…ごめん。いきなり開けてしまって…」

「あ…いいえ、私こそ考えずに搾乳なんて…」

「搾乳?」

「あ…おっぱいを…出して…母乳をあげていたから…急には止まらなくて。」

「ああ、そうなんだ。知らなかった。女性って大変なんだね」

「恥ずかしい姿を見せてしまいすみますんでした。」
あおいは服を着、ドアを開けた。

「いや…とても綺麗で…マドンナのようだったよ。」

「マドンナ?ふふふ。マドンナって。」
あおいは笑っていた。

「マドンナ…聖母だよ、聖母。」

「あ…そっちですか?」
あおいは涙を流しながら笑っていた。そんなに可笑しな事ではなかったが、今のあおいは感情コントロールが変になっていたようだった。






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