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乳母…めのと
第6章 乳母…6
川口が事務所の奥にある資料室から慌てて出てきた。
「あおいちゃん!犯人が…分かったよ!誰かは分からないけど、見つけたよ。」

あおいは座っていた椅子から立ち上がった。

「こっち、来て。」

慌ててあおいは資料室に向かった。


「交差点の防犯ビデオ、やっと手に入ったんだ。」
ビデオにあおいが映っていた。
交差点の信号で立ち止まっていた。
そして、あおいの背後は歩道を行き交う人が多くいた。その中に辺りを見回している一人の人がいて、あおいの背後に近付き、両手であおいを押していた。

「犯人はこの人だ!」
交差点内を主に映した映像で歩道側は少しわかりにくかった。
黒のパーカーのにGパンに運動靴…おまけにニット帽にマスクを付けていた。
こんな人は今の時期その辺にたくさんいるし、画像からは、男なのか女なのかも分からなかった。
身長はあおいと同じくらいに見えたが、165cmあるあおいと同じくらいの身長の男性も女性もたくさんいる…

「愉快犯かも知れないが、知り合いかも知れない…解析して貰うよ。少し時間がかかるかも知れないが、犯人の姿は見えたんだ。あとは、来た方向と逃走方向の店の防犯ビデオを借りて…と…」

あおいは震えながら頷いた。

知り合いで?
誰…?

川口はあおいの肩に手を置き
「大丈夫。早く見つけ出すから。」

あおいは頷いた。






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