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乳母…めのと
第1章 乳母…1
子供が亡くなり、働ける身になったので生活保護も必要なくなったのだった。

骨壷を抱え、荷物を持ちマンションに帰った。

生きていくには仕事を見つけないとならない。
…帰宅途中のタクシーの中ではこれから先のことを考えないとならないと思っていた。

ふと外を見ると自分が落ちた歩道橋が見えた。
「あそこから落ちたんだわ。」
通り過ぎるまでジッと歩道橋を見つめ、落ちた時の事を思い返してみた。

気をつけて階段を下りていたはずだ。
後ろから押された…ような…
背中を押された感じがして振り向こうとして
再度押された……

誰かが私を?

マンションの前にタクシーを止めて降り、部屋に入ると骨壷をテーブルに置き、
「待っててね。」
と骨壷に言うとマンションから出て、今来た道を歩き出した。

そして落ちた歩道橋の前に行き、あの日の事を思い出していた。

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