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第1章 乳母…1

「ありがとう。では…お邪魔しました。」
桜田は帰ろうとした時、
「あの…もしよかったらお茶でも飲んで行ってください。」
桜田を誘った。

「悪いな…気を使わせてしまって。」

「いえ、ご馳走になったお礼…とまではいきませんが、その一部で」
あおいはフフと笑った。

「あ、これは…ご両親？亡くなられたの？」
小さな仏壇に位牌と写真が置かれてる。

「はい。私が高校生の時に事故で…私一人っ子で祖父母もいなくてひとりぼっちになってしまいました。」
あおいは、暗くならないように明るい声で言った。

仏壇の前で手を合わせてから、桜田は
「ひとりぼっち？寂しかっただろ？心細いだろ？」
そう言い、あおいを抱き締めた。

「俺がこれからはついていてあげるから…」
そう言うと、あおいに優しくキスをした。