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乳母…めのと
第4章 乳母…4
「ただいま…」
あおいがマンションに戻ると佐野の姿は見えなかった。

「お出掛け中か…そういえば、こうして一人になるのも久しぶりだな…」
そう独り言を呟き、隼人のいない部屋は寂しく感じた。

そしてソファに座ると犯人の事を考えていた。
探偵事務所で見た防犯ビデオの中に犯人がいるかも知れない…そう思うと胸が詰まり、憎しみが込み上げてきたのだった。

桜田が犯人ではなかった。
本当に?
桜田は実行犯ではないけど、誰かに頼んで歩道橋から突き落とした? 

捜査を依頼しているから、川口さんを信じて待とう…
犯人が分かってから恨めばいい…

あおいは深く考えないようにしていた。
隼人を育てていくうえで、プラスにはならないと思ったからだ。
心の奥に憎しみは押し込んでいたのだった。




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