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『君×僕×妖怪』
第1章 ―始まり―
「うん。……きっとじゃないよ」
ポツリと呟くと日向はピョン、と立ち上がった。
「お散歩に行ってくるね」
外を出歩くことが好きな日向はよく散歩に出かける。だから何も気にせず、いつものように奏は手を振って見送った。
「あ、夕飯までにはちゃんと帰るんですよ!」
思い出したように叫ぶと、日向は分かった、と言う変わりに手をヒラリと振った。
道を歩く日向の足取りは軽かった。
(分からないけど、きっと今日なんだ)
蓄積された、知覚すら出来ないうっすらとした本能が告げる。
――出会いはすぐに訪れた。