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夜明けまでのセレナーデ
第8章 新たなる運命
その数日後、思わぬ人物が屋敷を訪れた。
…いや、訪れた…という言い方は間違っているだろう。

「ご機嫌よう。
薫、お久しぶりね」
光は優雅に黒いレースの日傘を畳むと、目を丸くして驚いている薫に美しい眉を跳ね上げた。
「…母様…!
な、なぜここへ?」
玄関前で棒立ちになる薫を押し退けるように、光はエントランスに滑り込む。

「あら、ここは私の家よ。いつ来ようと自由だわ。
…ああ!屋敷はすべて無事ね…!
レンブラントの絵も焼けなくて、本当に良かった…!」
感に耐えたようにエントランスを見渡す光に、ややむっとする。
…なんだよ、屋敷の心配だけかよ。
僕の心配はしないのかよ。

「…そ、それはそうですけど…!」
…いきなり来るなよ…!
心の準備があるだろ!
密かに毒づいていると、玄関ホールの中央で、不意に光が振り返った。
「ねえ、薫。
お母様は貴方にお願いがあって来たの」

…蜜より甘い声と笑顔だ。
鬼ババの眼に涙ならぬ笑顔…。
母様が笑うなんて、よっぽどのことだ。
天変地異の前触れかもしれない。
薫は咄嗟に警戒した。

「…なんですか?」
光は、勝気な気性が透けて見える…けれど、息子ですら思わず見惚れてしまうほどに華やかな美貌を綻ばせた。

「…まずはお茶をいただきましょう。
お話はそれからだわ」

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