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sweet poison ~愛という毒に身を侵されて……~
第1章 茜陽一の仕事
再び書類を捲り、地図のページを見せた。
そこには住所も載ってある。
「はっ? 東京? しかもウチの商品だけを扱う店?」
さすがに声も引っくり返る。
水野は険しい表情で頷いた。
「明らかに怪し過ぎます。出費は全て全額向こう持ち、建物に関しても向こうが全て用意してくれるそうです」
「そりゃあ…怪しいですね」
「ええ。しかし会社の方は至って安全なんです」
「どこの会社ですか?」
「会社名はS&M。仕事内容は投資運用業ですね。ホームページがありまして、そこから電話で連絡を取り合ってもみましたが、ちゃんと応えられました」
水野はしかし、不安げに首を横に振った。
「会社ができたのは、わずか一年前のことです。ですが投資で成功し、大きく成長している会社です。しかし…会社に関して、不透明な部分が多過ぎる会社でもあるんです」
「不透明…と言うと?」
「会社の内情が全く分からないと言ったところですね」
水野は肩を竦めると、書類を指でトントンと叩いた。
「こういう契約を交わしていることは、過去に何度もあるらしいです。しかしここまでの契約内容はウチぐらいだそうで…」
「よく知っていますね」
「そりゃあわたしも前は東京に勤めていましたから」
苦笑する水野を見て、陽一は思い出した。
水野は昔、東京に住んでいて、不動産屋に勤めていた。
かなり優秀な成績を出していたが、父親が亡くなると同時に会社を辞め、ここへ戻って来たのだった。
「そっそうでしたね…」
そこには住所も載ってある。
「はっ? 東京? しかもウチの商品だけを扱う店?」
さすがに声も引っくり返る。
水野は険しい表情で頷いた。
「明らかに怪し過ぎます。出費は全て全額向こう持ち、建物に関しても向こうが全て用意してくれるそうです」
「そりゃあ…怪しいですね」
「ええ。しかし会社の方は至って安全なんです」
「どこの会社ですか?」
「会社名はS&M。仕事内容は投資運用業ですね。ホームページがありまして、そこから電話で連絡を取り合ってもみましたが、ちゃんと応えられました」
水野はしかし、不安げに首を横に振った。
「会社ができたのは、わずか一年前のことです。ですが投資で成功し、大きく成長している会社です。しかし…会社に関して、不透明な部分が多過ぎる会社でもあるんです」
「不透明…と言うと?」
「会社の内情が全く分からないと言ったところですね」
水野は肩を竦めると、書類を指でトントンと叩いた。
「こういう契約を交わしていることは、過去に何度もあるらしいです。しかしここまでの契約内容はウチぐらいだそうで…」
「よく知っていますね」
「そりゃあわたしも前は東京に勤めていましたから」
苦笑する水野を見て、陽一は思い出した。
水野は昔、東京に住んでいて、不動産屋に勤めていた。
かなり優秀な成績を出していたが、父親が亡くなると同時に会社を辞め、ここへ戻って来たのだった。
「そっそうでしたね…」