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幻の果てに……
第1章 誘惑
「んんっ……」
乳房を揉まれ、乳首も弄られる。
「上手いじゃん。やっぱ人妻だよな」
彼も息が乱れてきた。
それを、嬉しいと思ってしまう。
今だけは愛しい人だと思って、自分なりに愛を込めて愛撫する。
「ふぅっ……」
しゃぶっているうちに、先端から粘着質なものが出てきた。そのせいか、卑猥な音まで聞こえてくる。
息を乱した翔に、両肩を掴まれた。
「一回、出すよ? その方が、挿れてから、長いしっ」
そう言われてすぐ、口内に熱い物が迸る。
「んっ……」
忘れていた感触に、驚いて顔を離した。
「ちゃんと飲んでよ」
間近で見られているのが恥ずかしくて、目を瞑って飲み込んだ。
自分にも聞こえた、ゴクリという音。
それに、また下半身が疼く。
「いやらしい顔だね。そんなに美味しい?」
恥ずかしい言葉をかけられる度、自分でなくなっていくような感覚。
私は一人の女で、彼もまた一人の男。
倒錯の世界への入口が開かれていく。
「あんっ」
押し倒され、脚を広げられ、クリトリスを舌で弄ばれる。
「あっ、んんっ」
こんなことも、どれくらい振りだろう。
“恋人”だった時は経験があっても、“妻”となると扱いが変わっていく。
今の私は、ただのメス。
快感だけを求める獣のようだった。
密をすくった舌がヒダを伝うように動き、クリトリス全体を刺激していく。
その部分がどうしようもなく熱くて、彼の頭へ手をやった。
「はぁっ、ヤぁっ、んっ」
体が、いうことを聞いてくれない。
嫌……。
もっと感じていたい。
「あっ、ヤぁんっ、んんっ、あぁっ! んっ……」
クリトリスが、ドクドクと脈打っている。
靄(もや)のかかったような視界の中、翔がそこから離れるのが分かった。
「奥さん。飢えてたんだ。ダンナ、単身赴任中だって言ってたよな」
「はぁっ……。んんっ……」
息が乱れて答えられない。
それは本当のこと。
私は飢えているから自然にあの店へ行き、セックスを求めた。
誰でも構わない。私を、女として扱って欲しいから。
いくつになっても、結婚していても、私は女。
いつもは隠しているそんな部分を、自分でも開放したかった。