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幻の果てに……
第2章 思案
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
「んんっ……」
ベッドに座ったまま舌を絡めるだけで、自分が興奮しているのが分かる。
以前は、夫のいない数ヶ月我慢出来たのに。我慢とさえ、感じなかったのに。
一度スリルを味わってしまうと、それはもう止められない。
そう。スリルがあるから、余計に感じる。
今日の昼まで、夫と一緒にいたのに。
夫は、私が拒んだとは思っていないだろう。生理だと言ったのを信じただけ。
「はぁっ……」
唇から離れた舌が、首すじを舐めるように這う。全裸の背中を指先が通り、ゾクリとした。
優しくベッドへ寝かされ、恭介が覆い被さってくる。
「あぁっ」
乳首をしゃぶられ、押し付けるように背中を反ってしまう。
もっと。
もっと乱れたい。
この一時だけは、名前が同じ別の女。
「あっ、んんっ」
口内で動く舌に、翻弄されていく。
何年もセックスをしていないように、熱くなってしまう。
「はぁんっ」
生活費もあの店へ行くお金も、全て夫の給料から。
従順な妻だと思っている私を、夫は疑ってもいないだろう。
その罪悪感が、背徳感が、興奮を高めていく。そして、夫のことなど忘れて行く。
今愛する人は、私を愛撫している恭介。
「あぁんっ、はぁっ」
乳首をしゃぶられながら、指が下半身へと降りて行く。太ももを撫でられ、焦らすようにしてから秘蕾へと辿り着いた。
「あぁっ」
薄っすらと目を開けると、鏡張りの天井に写っているのは、男からの愛撫に悶える自分。
そんな姿も、興奮を煽った。
以前だったら、恥ずかしかったはずなのに。
「んっ、はぁんっ」
クリトリスを弄られると、クチュクチュという音。
直接的な快感とその音に、ゾクゾクしてしまう。
「あぁっ」
乳首から離れた舌が、クリトリスへ。
舌でヒダをめくられ、感じる部分を濡れたものが這う。
「あんっ、はぁっ」
同時に秘蕾に指を挿れられ、ビクンと体が跳ねた。
クチュクチュと音はするが、どちらからのものか分からない。
「梨央さん。感じやすいね。凄いビショビショだよ……」
そんな言葉が耳から入り、全身が犯されていくよう。