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幻の果てに……
第2章  思案


 クリトリスから離れた彼が、増やした指を動かしながら見つめている。
「あぁっ、んんっ」
 視姦されているよう。
 実際に秘蕾を弄られてはいるが、そんな姿を見られていると、余計にいやらしい表情になってしまうようで。
「可愛いよ。エロいし。セックスが好きなんだね……」
 煽るような言葉が投げかけられる。
「あんっ、はぁっ」
 中で指を動かされ、私も自然と腰が揺れる。
「これじゃ、足りないでしょ? 挿れて欲しい?」
「はぁっ、ほ、欲しいっ、んんっ」
「素直でいいいね……」
 指を抜かれる刺激にも反応してしまう。
 すぐにコンドームを着けると、脚を広げられた。
「あぁんっ!」
 塊が挿入され、自然に背中を反る。
 ふと、夫のことを思い出してしまった。
 体は求めていたのに、何故セックスを拒むようなことを言ってしまったのか。
 夫を見送った夜に、知らない男とこんな行為をしている。
 淡泊とはいえ、夫としていればあの店へ行かなかっただろう。
「あっ、はぁんっ」
 グラインドが始まると、そんな事も忘れていく。
 溢れた密のせいで、グチュグチュという音。
 乳房も揺れ、愛撫されているようだった。
「締まりがっ、いいね……。吸い付いてくるっ、みたいだよ……」
 いやらしい言葉に、心も体も乱されて行く。
「あんっ、あぁっ」
 喘ぎながら、彼の背中へ腕を回した。



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