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幻の果てに……
第3章 悦楽
「んんっ、あぁんっ」
さっき二度もイったお蔭で、長く快感を味わえる。
「余計、締まってきたね……」
でも、相手が違う。それだけで、興奮は増してしまう。
無意識に塊を締め付けるのは、絶頂が近いから。
聞こえてくる静香の喘ぎにも、触発されていた。
「あっ、あぁっ、もうっ、んんっ」
「イっていいよ。梨央のいやらしい顔、見せて……」
煽られ、誘導されるような言葉。
「ヤっ、イヤぁっ、あっ、んんっ、イくぅっ! あぁっ……」
「俺もっ……っ。はあっ……」
真っ白な頭の中。
自分が何をしていたのかさえ、分からなくなっていた。
ただ、気持ち悦かっただけ。
快感に喘いでいたのだけは、覚えている。
「んっ……。はぁっ……」
「梨央……」
添い寝してきた和斗に抱きしめられた。
体に力が入らなくて、応えることも出来ない。
「あぁっ! んっ、ダメぇっ、イくっ! んんっ……」
静香が果てた声が聞こえ、少ししてベッドに寝転んで来る。その横には、さっき私とセックスしていた浩太。
不思議な感覚。
親友の静香と、同じ男を共有した。
勿論一度限りの相手でも、私と静香の中では消せないこと。
「少し、ソファーで休む?」
和斗の言葉に何とか体を起こしたが、このまま座れば密が付いてしまう。
私と静香は、シャワーを浴びに行った。
「どう? どっちが悦かった?」
静香が笑顔で訊いてくる。
まだ気怠い体を洗いながら、首を傾げて見せた。
どっちなんて、比べる余裕もない。
強いて言えば、どっちも悦かった。でも、恥ずかしくて口には出来ない。
結局私は、セックスなら誰でもいいのだろうか。
夫以外なら。
セックスで選んで、結婚したわけじゃない。それに付き合っている人がいれば、浮気をしたこともなかった。
これは、浮気じゃない。
ここを出れば、幻になる出来事。
そう考えながらバスタオル姿でソファーへ戻ると、男性達がシャワーへ行く。
ビールを呑み始めると、すぐに彼らが戻ってくる。
「もっと呑もうよ。せっかく泊まりなんだからさ」
浩太はまた数本のビールを出して来て、足りなくなったとフロントへ電話をしていた。