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幻の果てに……
第4章 妄想
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
起きたのは昼過ぎ。
夕食の支度があるからと、静香は間に合うように帰って行った。
私は、一人での夕食。
サラダとパスタで簡単に済ませ、食器を洗う。後は入浴だけ。
そんな毎日を過ごしていれば、人恋しくもなる。
夫だって赴任先で一人暮らしでも、独身の同僚がいると言っていた。よく一緒に食事をすると。
静香は親友でも、いつも家を空けるわけにはいかない。そうじゃないとしたって、浮気を疑われてしまう。
暮らしに不自由はない。それはありがたいと思うが、独身だった頃とそう変わりない日常。
独身の時の方が、デートという名目でもっと会えていた。
でも、今日はまだ疲れが抜けていない。
あれだけ激しいセックスを複数ですれば、当たり前だろう。
入浴してからリビングへ戻り、隅へ置いたままのパソコンを出してきた。
古いせいか、動作は遅い。
独身時代に仕事で使っていたお蔭で、操作には慣れている。
検索して開いたのは、アダルトグッズのサイト。親しみやすいようになのかポップな作りで、淫靡な感じはしなかった。
緊張しながらも、普通サイズのバイブを選んだ。
店名や、中身が分からないように包装されて届くと書いてある。カード番号を入力するのは怖かったから、着払いにしておいた。
届くのは一週間以内。それなら夫もいないし、何が届いても構わない。クローゼットの私の靴の箱に紛れさせれば、見つかることもないだろう。
万が一見つかったとしても、恥ずかしさに耐えればいいだけ。あなたがいなくて淋しかったと言えば、逆に喜ぶ可能性もある。
浮気はしていなという、“偽証”のようになるかもしれない。
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
三日が経ち、昼間に荷物が届いた。
箱は二重になっていて、外側は配業者を装ったもの。
リビングで箱を開けると、中には包装されたバイブ。説明書と消毒液も付いていた。
箱は小さく千切り、キッチンのゴミ箱へ。回収は明後日だが、千切れば正当な燃やせるゴミ。
バイブと消毒液を持って、寝室へ行った。
服を脱いでベッドへ横になる。
その時点で興奮していた。