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幻の果てに……
第5章  初体験


「梨央っ、スイッチ、入れるよ?」
 お互いに、バイブを奥まで挿れた状態。薫の脚が、胸の横まで来ている。私も同じはず。
 カチっと微かな音がした後、バイブがうねり始めた。
「あぁんっ」
「梨央っ、ああっ」
 お互い顔は見えないが、一つのバイブで繋がっている。
 男性とのセックスは、相手の体の一部が私の中へ。女性同士は指もあるが、それだけだと奥が疼く。
 一体感を得るために、こんなバイブがあるんだろう。
「あっ、あんっ」
「はあっ、梨、央っ、んんっ」
 薫が腰を揺らすと、刺激が強くなる。
 それは私も同じ。自然と腰が揺れ、自分で乳房を揉んでいた。
「あぁっ、はぁんっ」
 激しいバイブの動き。
 それに加え、彼女も悦がっているという一体感。
 本当に愛し合う女性達には、必要な物。
 今だけでも、私達は愛し合っている。
「ああっ、はあっ」
 甘すぎない、薫の喘ぎ声。
 それにも触発されていく。
「あんっ、はぁんっ」
 私には異様なセックスでも、4Pの時とはまた違う。あの時に男性はいた。でも今は、薫と二人切りでベッドの上。
 薫が私の腕を引いた。
「あぁっ」
 お互いに座った状態になり、太ももを絡められる。
「んんっ」
 バイブが奥まで挿り、秘蕾同士が密着した。
 薫が、グチュグチュと秘蕾を擦り付けてくる。
「あぁっ、はんっ」
 お互い後ろに手を付いたまま、私も誘われるように腰を揺らした。
 この年齢になって、こんな体験をするなんて。
 女性同士なんて、今まで考えもしなかった。
 セックスに、男も女も関係ないのかもしれない。
 気持ち悦くなるのが目的。
 愛情もなく、ただ快感に酔えばいい。
「はぁんっ、んんっ」
「梨央っ、どう?」
「あっ、イイっ、凄、くっ、イイっ、あぁんっ」
 ギュっと目を瞑っても、声で女性だと分かる。それでも問題はなかった。
 塊の代わりに、秘蕾の中でうごめくバイブ。
 相手の息遣い。
 自分の喘ぎ声。
 全て、男性とのセックスと変わらない。
「はぅんっ、んっ、あぁっ」
「梨央っ、可愛いよ。いやらしくて」
 言葉で責められるという、スパイスもある。



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