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幻の果てに……
第6章 衝撃

◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
あれから静香に連絡していない。私からはしづらかった。
慰めの言葉をかけるのも何か違うと思ったし、貸したお金の返金を催促するようで。
落ち着けば、彼女の方から連絡が来るだろう。
そう考えていた数日後、静香からの電話。
あの店へ行こうという誘い。
返金の一部として、代金は静香が出すと言われた。
堕胎については、何も触れないまま。
あんな目に遭っても、静香も幻が忘れられないんだと思った。
ただ彼女もクリニックを探し、避妊薬を手に入れたというのは聞いている。
危険すぎる幻。
静香の件を思うと、そう考えるようになった。
それでも、私ももう抜けられない。
大丈夫。
自分にそう言い聞かせる。
何が大丈夫なのかも分からないまま。
そんなことを考えながら、カウンターでカクテルを呑んでいた。
「隣、いいですか?」
声をかけてきたのは、細身の男性。
卓也(たくや)という名前と32歳だと聞き、取り敢えずテーブル席へ移った。
同い年だが、本当かは分からない。でもそれは、関係ないこと。
飲みながら卓也の話を聞き、私は驚きを隠せなかった。
セックスにも、色々な趣味嗜好がある。犯罪でなければ、それは個人の自由。
「いいですか?」
「はい……。経験はないけど……」
卓也に訊かれ了承した。
「初めての方が、余計に萌えるから」
卓也が笑う。
多少緊張しながらも、静香より先に店を出た。
「手を上に。そう。どう?」
私は全裸で、ベッドの上で縄で縛られる。手首には手錠で、どこかへ繋がれていた。
どこをどうしたのか、全体は分からない。
でも、脚は膝を立てて開かれた状態。秘蕾にも縄が通っていのは感じる。
苦しくはないが、乳房が強調されて、寝ていてもいつもより大きく見えた。
「可愛いよ。梨央……」
卓也に眺められると、自然と感じてくる。
自分にこんな一面があったのを初めて知った。
淫らな格好をさせられている。
それだけで、密が溢れてくるようだった。
「濡れてきてるよ? もう感じてるの? 気に入ったみたいだね」

