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幻の果てに……
第9章 ハッピーエンド編
皮肉なものかもしれない。隆に会えない間、私が心を埋めようとしたのは幻のセックス。
でも言葉にして、セックスで現実に引き戻してくれた。
私はいままで、現実と幻の合間を彷徨っていただけ。
「梨央……。俺の傍に、いて欲しい……」
隆は気付いているかもしれない。
あの店のことは知らなくても、私が他の男性と寝たことを。
それでも何も言わず、傍にいて欲しいと言ってくれる人。
もう、この人を裏切れない。
「梨央……?」
私は泣きながら頷いた。