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裏の顔を持つ教師
第2章 卒業生との繋がり
ひさびさの休日で伸司は朝からする事もなく昼まで布団の中で過ごそうと決めていた。だが、突然携帯電話が鳴りだした。

画面には…『生田綾子』

綾子は前任の学校で中学3年の時の生徒だった。何かと問題を起こした綾子には伸司も手を焼いていた。それは綾子の家庭環境も影響していたのかも知れない。綾子の家は母子家庭だった。母親は毎日仕事で、綾子の面倒まで十分に見きれてなかったのである。

そんな綾子からの電話であった。

「もしもし…」

「あっ、先生おはよう。」

かなりうち溶けた感じで話かけてくる。

「今日、暇だからうちに来てよ。」

「おいおい、お前はオレを敬っているのか?なんとか卒業できたのもオレのおかげだぞ。」

「中学なんて義務教育だよ。しょせん誰でも卒業できるよ。」

綾子に軽く受け流される。

しかし、急に言いだした。

「お願い、寂しいの…」

「そ…そうか。」

ふと綾子の家庭環境が頭に浮かんだ。誰からも気にかけられない事はつらい事だ。

「それなら、昼頃には行くな。」

「うん、待ってるよ。」

こうして伸司は綾子の家に行く事になった。
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