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裏の顔を持つ教師
第2章 卒業生との繋がり
部屋に着くと二人は昼ご飯を作る事にした。といっても、伸司の持ってきたカップ麺と綾子の家にあった惣菜のコロッケだった。

「こんな物しかなくてごめんな。」

「いいよ、うちも大体こんなもんだから。」

「そっか。」

しばらく食事に夢中で二人の会話は中断した。

「あのさ、先生。」

「何だ?」

「今日、うち一人なんだ。」

「綾子の家は母子家庭なのは知ってるぞ。母さんが働きに出ているんだから当たり前だろ。」

「だ、か、ら。」

綾子は遠回しに誘っていた。そう、男と女が二人で一つの部屋にいるのだ。しかも伸司は女の方から誘われているという状況である。それは綾子の服装からももはや明らかだった。

「うち、寂しいの…」

またもや綾子が真面目に悲しそうな声で訴えてくる。伸司は、ようやくこの状況を理解し始めた。

(そうか、オレ達は、今、男女の関係になろうとしているんだ。綾子は寂しがっている。心も体も愛が欲しいに違いない。オレに手を焼かせたのも構って欲しいの裏返しだったんだろう。)
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