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降りしきる黄金の雫は
第2章 2 『ガーデン岡田』
「ちゃんと消毒したのか? 全く……。昨日やらなくてもよかっただろ。明日は休みなんだし、言えば俺がやってやったのに」
「まあ、そうなんですけど。なんだかかわいそうで」

「かわいそう――か。まあ、そういうお前だから樹木医なんだろうがな。――もっと自分の事も大事にしろよ?」
「してますよ。社長は心配性だなあ」
「二人の時は先輩でいいよ」

 優しい眼差しを僕に向けふっと笑む彼のところに、スパイシーなカレーライスとラーメンが運ばれてきた。

「お先っ」

 大きな口に運ばれるというよりも放り込まれるという表現のほうが似合うワイルドな食べ方で、見ていると爽快感を伴う。
ラーメン鉢を軽々と片手で持ち上げ、スープを啜る。男らしいというのは先輩のことを言うのだろうといつも思う。

「芳樹、冷めるぞ。急がなくていいけど熱いうちに食べろよ」
「は、はい」
 本当に熱いキャベツに悩まされたがなんとか食べ終えて店を出た。
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