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降りしきる黄金の雫は
第2章 2 『ガーデン岡田』
 午後から、田中邸の植木を確認する。田中さんの家は築40年で、息子夫婦が同居するために二世帯住宅に建て替える。そこで庭も今までの雑多に植えられていた庭木を整頓し、子供にも良いものに変えたいという希望だ。いわゆる『リガーデン』というものだ。植木は、モクレン、梅、松などと和風なものが多いが、手入れがなされておらず、それぞれがせめぎ合っており見るに忍びない。

梅の木は枝が伸び放題だ。田中さんは立派な枝ぶりだろうと松を見せてくれたが、実際は松くい虫にやられていて中身はスカスカだった。梅は毎年、実をつけているようなので、梅の木だけ残し、あとは処分の方向となる。

処分すると言っても『ガーデン岡田』の裏山に植えたり、別のお客様に譲ったりする。以前、同じように木の植え替えをしようとするお客が、もういらないからと言って枝をへし折ろうとした。
それを見ていた僕の青ざめた顔色を見て、岡田先輩が不必要になった植木をこちらで引き取るとすかさず、お客の手を制してくれた。

あの時は本当に安堵したなと今更のように胸をなでおろし、田中邸の新たな植木をリストアップした。

「えっと、月桂樹、オリーブ、適当にコニファー、それともともとある梅か……。うーん……」

新しい家はモダンな洋風の建物になるらしくそれに合わせて若夫婦が選んだ植木は少し梅とバランスが悪い気がする。

庭は案外広いので梅の木だけ少し離れた場所に――田中さん老夫婦が眺められるところへ植えることにして景観のバランスを考えることにしパソコンの電源を落とした。
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