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監禁束縛〜裏切りと暗殺者の最期〜
第1章 裏切りと怪しげな男
「俺の命令に逆らうな。……死ぬぞ?」

「あがっ、あッ…カハッ…は……いッ……ゲホッゴホッゴホッ、ハァハァハァ」

リンが返事をすると首輪の力は弱まり苦しそうに咳き込み荒い呼吸を繰り返した。

「まぁ死んだ所で蘇生魔法で生き返らせてやるけどな。……何度も何度も死んで地獄を味わえ。俺を求めるまでずっと、な」

「あっ、あ……ッ…」

絶望し、虚ろな目になる。

「その目、いいねぇ……もっと絶望色に染めてやるよ」

男はそう言うとスマホを操作し、それをリンに見せた。

「!!」

画面を見るなりリンの目に光が戻りひったくるようにスマホを奪った。
そのスマホはリンのものだった。
スマホの画面にはメール画面が表示されていてメールの相手は雇い主だった。

(あれからどれぐらい時間が経ったか分からない…けど、連絡しない私を心配して主様から連絡が来たんだ!きっと助けてくれるっ)

そんな希望を抱きつつリンはメールの文を読み始めた。


【リン、お前には失望したよ。簡単に知らない男に拐われた挙げ句、男に抱かれてるのだろう?吐き気がする。お前なんか拾わなければ良かった。お前に費やした金と時間は無駄だったようだ。ああ、被害者ぶるなよ?お前はたくさんのかけがえのない命を奪ってきたんだ。お前にその男を責める筋合いはない。お前はその男に弄ばれて死んでいけ】


「……え?な、なに…これ…?」

雇い主からのメールの内容にリンは絶望した。

(拾わなければ良かった?命を奪ってきた?全部主様の命令で…殺されたくなくて頑張って暗殺の腕を磨いて…折檻されても必死に頑張ってきたのにっ……主様の為に命がけで任務をこなしてきたのに…まるで私が人殺しが好きでやってたみたいに……私が全部悪いの?人を殺したくないって、あの時死んでれば良かった?)

手からスマホがベッドに落ちた。

「……酷いよなぁ、勝手に拾って勝手にお前を暗殺者として育ててきたのに。人間って奴は反吐が出る」

「………い、ばしょ……私の…たった一つの…居場所っ!!」

「ちっ、なくなったっていいだろ。俺はソイツと違ってお前を捨てたりしない。ここがお前の居場所だ」

「!?」

自分を拐った、雇い主に捨てられた原因でもある目の前の男をリンは信用出来るはずがなかった。
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