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狼に囚われた姫君の閨房録
第21章 伊東の企み
「いい湯だったぜ。見回り後の湯浴みはたまらねえな」
ある夜。
左之助がよく体を拭かずに、浴室から出てきた。左之助は下帯一つで歩き回るので、廊下に足跡がつく。
「兄上さまったら、ちゃんとおふきなさいませ。お体を冷やしますよ」
私は大きめの手拭いを持ってきた。濡れている広い背中を拭きにかかる。
十一月も半ばを過ぎた。夜は冷える。
「ほっときゃ乾くって」
「いけません!明日も、新人隊士に槍の稽古をおつけになるのでしょう?」
ふと、左之助の顔色が陰った。
何か悪いことを言っただろうか?
「俺は槍の師範にはならなかった」
左之助は先に立って歩き出した。
「槍術師範に選ばれたのは、七番組組長の谷三十郎ってやつだ」
「どうしてですか?兄上さまの腕前に勝る人など……」
「俺だって、俺に勝てる奴がいるとは思ってねえよ。だがよ」
左之助の寝所に着いた。敷いてあった布団に、左之助は長々と寝そべった。
「伊東参謀が谷を推してな。親父さんも譲ってやってくれっていうからよ」
父は弁舌家の伊東がお気に入りだ。
口下手なだけに口の達者な人に弱いらしく、いろいろと目をかけている。だから、左之助もあえて強情を張らなかったのだろう。
「伊東という人、悪い予感がします」
私が枕元に座ると、左之助は私の腰を抱いて布団に引き摺り込んだ。
「やんっ」
「俺も信用ならねえと思ってるぜ。だが、そこは兄貴のことだ。うまくやるさ。それよりもよ」
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