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狼に囚われた姫君の閨房録
第27章 下手人は原田?
「原田がどうしたって?」
副長室で、歳三は二人の役人と向かい合った。苦虫を噛み潰したような顔で威嚇している。
「お役人の手を煩わすようなことをする奴じゃねえぞ」
「したかもしれんのだ」
若い同心が弾き返した。
「昨夜、近江屋にて、坂本龍馬が暗殺された」
「なんだって!?」
歳三は腰を浮かせ、私も息を呑んだ。
坂本龍馬は土佐藩の浪人で、薩長同盟の立役者である。尊攘派からも佐幕派からも狙われていることは知っていたが……
「下手人が原田左之助どのではないかと、当方は考えている」
「冗談言ってんじゃねえ!」
片膝を立て、腰のものに手をかける歳三を私は手で制した。
「根拠をお示しください。わざわざ、来られたからには証があるのでしょう?」
「近江屋の話では、下手人は伊予訛りがあったそうだ」
年配の同心が答えた。左之助は四国出身なのだ。
「そして、現場に原田左之助の刀の鞘が落ちていた。これは原田がその場にいた証であろう」
「話にならねえな。原田は槍使いだ。殺るのに、なんで刀を使うんだよ?」
「それは当人に尋ねる。原田どのに、奉行所まで同道してもらおう」
「お断りだ」
歳三は冷ややかに言い捨てた。
「新選組は京都守護職が後ろ盾だ。隊士を疑うってことは、容保公の信頼を疑うってことだ。わかってんのか?」
「それは……」
「寺田屋じゃ、あんたらも坂本を捕らえようとしてたじゃねえか。なのに、その下手人を捕らえるって、意味わからねえよ」
「我らは坂本龍馬を暗殺しろとは命じられておらぬ!」
若い同心が立ち上がった。真っ赤な顔をして、こめかみが怒りで震えていた。
「浪人どもがいらざる真似を……その方らが好き勝手に振る舞うゆえ、我らが迷惑する!!」
強い非難だった。
強引な取り締まりをする新選組が奉行所に睨まれていることは分かっていた。
だが、こうまで反感を持たれていたとは……!
「一両日、待とう。その間に、原田左之助どのを奉行所に出頭させよ。頼んだぞ」
年配の同心は穏やかに告げると、若い同心と屯所を去った。
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