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狼に囚われた姫君の閨房録
第35章 総司と左之助の死
【第三者視点】
疾風が渦をまいて刑場を吹き抜けた。草が揺れ、落ち葉が舞う。左之助、新八、総司、すみれが駆け抜けたのだ。
見張り番の交代直後である。藩士たちは一斉に銃を構えた。
「敵襲か?」
「各々方、ご油断めさるな!」
灯りは篝火が二つ。新八が蹴飛ばして、真っ暗闇にした。これで、むやみに発砲できまい。
藩士三人が首の座に据えた近藤勇の首を囲み、攻撃に備える。
そこへ、間髪入れずの左之助の槍の一突き。
「うぐっ!」
断末魔の叫び声とともに一人が胸をおさえて崩れ落ちた。
「悪りぃな。夜戦はお手のもんなんだよ」
左之助がニヤリとする。
「うぬら〜っ!」
他の一人が銃を乱射した。総司が刀を風車のように回転させ、弾丸をすべて弾く。
「ばけ……化け物!」
息を呑む相手に、総司は軽く微笑んだ。
「そう、ありがと……」
次の瞬間、相手は膾のように切り刻まれた。何という早技!
その間に新八が近藤勇の首を奪い、風呂敷に手早く包む。
「おやっさんの首はもらった。ずらかるぞ!」
それを合図のように呼び子がけたたましく鳴り響いた。
薩摩藩士が救援を呼んだのだ。数人の駆け足が近づいてくる。
一刻の猶予もない。
「兄上さまたち、お早く!」
すみれの懐剣が走り抜けながら、一人の首を掻き切った。
左之助が二人の背後を守るように立ちはだかる。
「新八とすみれは先に行け。ここは十番組組長・原田左之助が食い止める!」
「ですが……!」
食い下がるすみれを、左之助は突き放した。
「いいから、さっさと行け!しんがりは十番組の役目だ!!」
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