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狼に囚われた姫君の閨房録
第36章 伊東を新選組に迎えたわけ
「なんてこった」
私の話(想像の域を出ない)を聴くと、三樹三郎は喉の奥でククッと笑った。
「俺はお前らに踊らされてたわけかよ。井伊直弼の手のひらで踊ってたというべきか」
「父の?」
「試衛館の連中を集めたのは大老だろうが。お前を守れと託して、大老は死に。連中は京へ。そして、新選組の結成。兄の粛清。大老の思い通りじゃねえか」
「かもしれぬ」
直弼には予知能力があった。父はすべてを予期して備えていたのだ。
「で、どうする気だ?」
「どうするとは?」
「新選組を追うのか?愛しの斎藤は会津城に行ったんだろう」
「むろん、後を追う」
私は立ち上がった。
外は薄暗くなりつつある。夜陰にまぎれて峠を越えれば、関所は抜けられよう。
「新選組の終焉を見届けるのが私の役目じゃ。地の果てまでも追ってみせよう」
「関所を出られるのか?通行手形もないのに」
「夜半なら何とかなろう」
三樹三郎はハハッと腹をかかえて笑った。
「よせよせ、女の身で……夜なら手薄だと思ってんのか?」
「私は瞬間移動を使える。どうとでもなる」
「瞬間移動は体力を削るんだったな?」
「……ええ」
「役人が追いつけないほど、遠くに行けるのか?」
私は黙るしかなかった。
私の瞬間移動では半里(1.5kくらい)もいけない。会津に着くまで関所はいくつあるかもわからない。私の体力では、何度も繰り返せるはずがない。
「手を貸してやろうか?」
悩んでる私の肩に、三樹三郎が手をかけた。
「俺とお前が夫婦になるんだよ」
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