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狼に囚われた姫君の閨房録
第44章 復活、新選組
【第三者視点】
近藤勇は土方歳三や原田左之助らを生き返らせることには成功した。
だが、沖田総司だけは容易ではない。肺結核で、既に寿命は尽きていたからだ。
「オヤジ……」
不安そうな歳三に、勇は笑い飛ばした。汗びっしょりで肩で息をしている。
「この程度で参ったりはせんさ。俺を囲んで円陣を組んでくれ。総司をみんなで黄泉の国から呼び戻そう」
そして、庭石に腰掛けている三樹三郎を勇は見た。
「君も協力してくれんかね?蘇生の力はこの中で、君が一番優れている」
「人のいい顔してえげつねえな。俺はあんたを蘇らせてヘトヘトなんだぜ」
苦笑いする三樹三郎。めまいが治ってないのだが、
「そんなタマじゃねえだろ?お前もすみれのことが心配なんだろうが」
左之助の言葉に、三樹三郎はしぶしぶ腰を上げた。
「こき使いやがって。言っとくが、すみれのためだからな。勘違いすんなよ」
歳三、左之助、新八、藤堂平助、斎藤一、山南敬助、三樹三郎が近藤を囲んで輪になった。
勇が黄金色に光り輝いた。地面から雪煙が舞い上がり、勇を包んで渦巻いた。
雪煙が唸りをあげる。渦巻きながら、光を放った。
雪煙の中に現れた影。
細くて長身の男であった。
「総司!」
平助が弾んだ声を上げた。
「総司!!」
一も叫んだ。
「みんな……」
朗らかな総司の姿がそこにあった。
「久しぶり。元気そうだね」
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