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狼に囚われた姫君の閨房録
第15章 池田屋事件(前編)
階下のけたたましい物音に、私は目を覚ました。あれから何度かイカされて、運ばれてきたお蕎麦を食べて寝てしまったのだ。
何人かで踏み込む足音と怒鳴り声。物が落ちて破れる音や、激しく言い争う声がした。
無双窓から外を見ると、すでに夕暮れ。浅葱色の羽織りを着た新選組隊士が店主を捕縛していくところだった。
「……兄上さま」
私が後ろを振り向いて呼びかけると、左之助は布団の上で寝返りを打った。
左之助はいつも全裸で眠る。小麦色の肌に筋肉隆々の肉体。あれだけ私を責めたというのに、股間の猛々しいものは太く反り返っていた。
「新選組の捕り物だろ?わかってる」
左之助はあくびを噛み殺した。
「あの店主はな、枡屋喜右衛門……本名を古高俊太郎といってな。長州藩の浪士だよ」
「長州の?」
「悪巧みをしてるって、監察方の山崎が聞き込んできてな。隠れ家を家探ししてる間、俺たちが古高を足止めすることになったんだよ」
「それで、この店に……」
「客がいたら、主が留守にするわけにいかねえだろ?俺たちがよろしくやってた間に隊士たちが包囲網を敷いてたってわけさ」
左之助は身支度を済ませると、枕元の風呂敷包みに顎をしゃくった。
「俺たちも引き上げるぞ。そこの着物、忘れんなよ。せっかく、買ったんだからな」
風呂敷には、黄八丈と帯と草履が包まれている。私は大事に胸に抱えた。
「分かっています。ありがとうございました」
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