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狼に囚われた姫君の閨房録
第15章 池田屋事件(前編)
「うぎゃあああっ!」
屯所の薄暗い土蔵で、耳をつんざくような絶叫がした。吹き抜けに改造され、天井からは滑車とロープが吊るされる拷問部屋だ。
頑丈な鉄の扉の両側に、相馬主計と野村利三郎の二人が見張り番をしていた。私が近づこうとすると、
「こっから先は立ち入り禁止だぜ」
利三郎が両手を広げて立ち塞がった。
「誰も近づけるなってさ」
「命じたのは、歳三兄上さま?」
「まあな」
「古高を取り調べているの?」
「そうだけど」
「お嬢さん、申し訳ないですが……」
主計が割って入った。そして、声を落とした。
「古高俊太郎のことは、平隊士には知らされていません。このことは内密に願います」
私は固くなってうなずいた。
佐伯又三郎が長州藩の間者だった例もある。新たに増えた隊士たちの中に間者がいないとは言い切れないのだ。
「ぐおおお〜!!」
土蔵の中で断末魔のような叫び声が上がった。竹刀で打ち据える音が続く。
中では、生かさず殺さずの責め問が行われているだろう。
私はそっとその場を離れた。西の空が薄墨色に染まり始めていた。
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