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ワルキューレの朝ごはん
第4章 背徳
ギュスターヴ・モローが生きた
19世紀後半のフランスは
産業革命以降、現実主義的、
物質主義的な大潮流が行き
渡って来た時代、そう1900年パリ万博前夜、そんな科学の時代の始まりに、神話や聖書の寓話、逸話をテーマとした幻想的内面世界を描いた。

そんな世紀の変わり目にあるギュスターヴ・モローは人間の本質を科学ではなく歴史と神話と聖書に求めた。

それはある意味グロテスクで背徳と残虐を見せつける人間の業の探求と云える。

豪奢な生活、悦楽、官能を求め愛し、相手の苦痛の表情に性的興奮を覚える変態たち。

聖人であれ、王であれ、あらゆるものを踏みにじって踊る完璧な美しさを誇る裸身。

その聖女とも見紛うサロメ=全ての女性に秘められた生命の力、その神秘に魅了された

ギュスターヴ・モロー、彼は一つの根源に至ったのだ。

「神殺し」・・・ふと脳裡を過るそんな風な言葉に相応しく
身仕度を整えた彼女は・・・
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