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感じさせて
第3章 カラオケボックス
撮影の時

私はシンくんに

抱きしめられた



確か

私も…抱きついた



あの時は

緊張していて
よく分からなかったけど



今は



心が溶けそうな

ホッとするような

あたたかい

安堵感を覚えて





心の中で





キス……してもいいよ




と、つぶやいていた




言葉にはできなかったけど…。





しばらくすると

シンくんは私を解放し

ちょっと切ない目で

私を見つめ



おでこに

ちゅっと

キスをした



「2週間も、待ったんや

これくらい、えぇやろ?」



と、少しイタズラっぽく笑って

また私の手を握った




近くの駅まで

手をつないで歩き

改札で




お別れ。




「じゃあ、メールするな」


「うん」


「即返してな?」


「どうかな…」


「あかん、即返なかったら
俺、泣いてまう」



「じゃあ、なるべくそーする(笑)」



「無理せんでな?
旦那さん、おるんやしな。」



「そうね……」



ほとんどいないけど



「じゃあ…またな」



「うん……またね」



次の約束もないまま

私とシンくんは




離ればなれに

なってしまった




後ろ髪をひかれながら

電車に乗り

少し大きな溜息をついた




また、あの寂しい家に

帰らなきゃいけない…






私は

時間を確認するために

携帯電話を

カバンから取り出した





と、同時に

メールが届いた




(笑)早いわね



そのメールは

シンくんからだった




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