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許嫁が多すぎる
第11章 四日目
人気絶頂にあって周りからちやほやされる一条寺は正直嫌気がさしていた。
売れなかった時代やジュニアアイドル時代から手のひらを返したような自分の扱いに正直不安さえ感じていた。

売れなくなればお払い箱。
それはちやほやされるほどに感じてしまっていた。

それを面と向かって言い放った翔太に思わずどきりとさせられた。
その心拍が不安から来るのか、翔太への羨望から来るのか、判断がつかない。

「で、でもっ……今選ばれなかったら翔太さんは他のだれかと結婚しちゃうでしょ……」

「そんなのわかるかよ。別にここで許嫁を一人にしたからって結婚するのかどうかなんてわかんねぇし……てか一条寺さんこそ許嫁候補じゃなくなったら俺なんかにこだわんねぇーだろ?」

けらけらと笑う翔太を一条寺が睨んだ。

「そんなことありませんっ!!」

「わっ!? び、びっくりした……急に切れんなよ!?」

「わ、私だってそんないい加減な気持ちで臨んでませんから!!」


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