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蕾は開き咲きほこる
第24章 それぞれの一歩

「そんなに苦しんでいたなんて……何も知らなくて、誘ったりしてごめんなさい」

「汐里ちゃんが謝ることじゃないよ。本当に誘ってくれた事に感謝してるんだから」

申し訳ない気持ちでいっぱいで謝ると、長野さんが私の背中を何度がさすってくれた。

「あの時、桜子に言う前に光春くんから相談受けてたんだ。一緒に連れて行って、一緒に新たな一歩を歩き出したいって。だから俺も桜子の事を相談してたんだよね。そうしたらさ。大丈夫だって。桜子は変な所で意地っ張りだから自分の前じゃ弱いところ見せたがらないから何食わぬ顔してくるよって。悔しいけど本当にその通りで、今日は汐里ちゃんや光春くんたちの為に腕をふるうんだって朝早起きしてお昼を作るぐらいだったんだよね。だから本当に感謝してるんだよ。――きっとさ、俺とふたりだけだったら、あんな笑顔させられたなかったと思うんだ」

長野さんの視線の先には藤の花を見上げて穏やかに笑っている桜子さんがいた。

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