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第16章 チャプター16

　このペニスが郁美の躰の奥深いところまで入り込み、泣いて赦しを請うたとしても、聞く耳など持たず、精を吐き出すその時まで、飽くことなく、犯しまくるのだ。その場面を想像し、郁美はそれまで僅かに残されていた理性が溶け出すのを感じた。
　息を吹きかけると、郁美はペニスに口をつけた。
「あッあフン、あぁ」
　喘ぎながら、郁美は唇で竿の部分を咥え、舌先でなぞるように動かした。口唇愛撫を開始した。
　玉袋に手を添え、裏筋や雁首の出っ張り、鈴口などを舌でくすぐると、ペニスがびくんと敏感に反応を返してきた。ペニス全体を余すことなく愛撫すると、今度は先端から飲み込んでいった。肉竿を吸い、舌を巻きつけ、頰肉との間で挟んだりしながら、抽送を始めた。
「あんた、本当にちんぽが好きなんだな」
「え……えぇ。ちんぽ、好きぃ。舐めるのも、挿れてもらうのも、好きです」
「夫以外のちんぽでもか」
「はッはい！　わ、私を気持ちよくしてくれるのなら、夫以外のものでも、構いません」
　興奮に脳幹を焦げつかせながら、郁美は夢中になって、答えた。そう言えば、男も興奮するだろうし、より深い官能を与えてくれるかもしれない、と期待して。
「昨日と今朝のオナニーでは、完全燃焼といかなかったみたいだからな」
　鎖ピアスの男がそう、口にした。ということはやはり、あの家には盗聴器が仕掛けられていたのだろう。
　自宅でのトイレでの嬌態を聴かれていたのかと思うと、羞恥よりも興奮で躰が震えた。トイレでの自慰の場面が脳裏に浮かんだが、それは郁美ひとりではなく、目の前の鎖ピアスの男に犯されているシーンだった。
「あッあ、あ、あぁ！」
　陶酔感が腰のあたりから生じ、背中を一気に貫いていくと、郁美は舌先から涎を滴らせながら、何も考えられなくなってしまった。自分が今、夫に見せたこともないような蕩け顔を浮かべていることはわかったが、それを見られていることを恥ずかしいとも思わず、むしろ、悦びの度合いを増すのを招いていった。また、フェラチオをしながら、ノーブラの胸がセーターと擦れ、着衣のまま、こんないやらしいことをしているという異常な状況に、興奮させられた。