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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第2章 #1

「ちょっと待って。話を整理しよう。……えーっと」


整理をするどころか、ますます片桐の頭は混乱していく。どこから見ても可愛い女の子の上田は、怒りまくっている今ですらどうしようもなく可愛い。


「ああ、先に荷物を積んで頭を冷やしてくるから。ちょっと待ってて」


こめかみの辺りを軽く押さえながら言うと、上田は思い切り「フンっ!」と声をたててそっぽを向いた。だがすぐ近くのベンチにドッカリと座った。待ってはくれるらしい。


(女子校の制服を来ていれば普通に女子やと思うやん)


片桐は自分に非がどれほどあったか思い返す。


(確かにいきなりチュウはな、アカンかったし)


車のトランクを開け、いつもより乱雑に道具を詰め込んだ。


(……なんでいきなりチュウしてんねん自分)

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