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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第2章 #1

サッカー人気にあやかって、小さな子ども相手にサッカーを教えるスポーツクラブ。

彼、片桐が勤める会社もそれだった。

幼稚園から小学校低学年辺りの地域の子どもが十数人集まればコーチを一人派遣するお手軽なレッスン。高学年にもなれば大会などもあるが、片桐の担当は初心者同然のちびっこだ。


「コーチ!コーチって彼女いるの?」


ませたタイチがめちゃめちゃ笑顔で叫ぶ。


「うるせえよ。うちのチームなんてむさい男ばかりの職場だから出会いがねんだよ」


ゲラゲラと笑われながら、練習のための三角コーンを並べた。


集まる子ども達の中には女の子もいる。幼稚園児のセイラちゃんはすごく可愛いが、サッカーよりも小枝で地面にお絵かきするのが楽しい年頃。小さい子達の付き添いでくるお母さん達の中にも美人な人はいる。

――そのくらいだ。接点のある女子は。情けなくなる。

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