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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第4章 03
今日の回診は一番若い先生だった。裸の美希の胸を前にしても表情一つ揺らがない。冷たい聴診器がひとつ、またひとつ、裸体にキスをしても全くといっていいほどときめきはない。
「今日は顔色良くないね」
「そうですか?」
試しに先生の手で触れてもらったらときめくだろうか。顔に伸ばされた手は美希の下瞼を引き下げ貧血を見ている。すぐにとらえて頬擦りでもすれば、少しは変な気でも起こしてくれるだろうか。
「先生?」
「何だい」
近く見つめあったものの、胸の高鳴りはない。
「私でも恋をしてもいいですか」