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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第4章 03
「大好きな美希先輩に会えちゃったから、元気いっぱいなんです!」
子犬が尻尾をはち切れんばかりに振ってなつく様に似ている。頭を撫でてあげると嬉しそうに騒ぐ。まさに疲れ知らずだ。
同じクラスの女子よりは幾分扱いやすいため可愛げはある。上田は頭の片隅でボンヤリと思った。
腕を組んできた一番べったりの後輩に視線を下ろすと、ふと無意識にその唇に目がいく。ぷっくりと厚みがある小さな唇は、メンテが行き届いているのが随分と潤って見えた。
じっと見すぎたのか顔を赤らめて後輩が恥ずかしそうにモジモジとしながら腕はけして離さない。