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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第4章 03
確かに美希も、ちびっこサッカーの話を聞くのは楽しかった。だけども、今にして思えば、真希はずっとコーチであるその人を見るために行っていたのではないか、――そう思えてならない。その人のことを聞くと真希は声を荒げて過剰な反応をする。きっと指摘しても認めないだろうし、もしかするとまったく無自覚なのかもしれないが。
(あれは。あれこそはきっと。『恋をする目』なんだよ)
例えその人がもし美希に同情でキスをしてくれても。真希が感じるほどには、到底美希では味わえない。それを納得したら何となく気分はスッキリとした。
美希は今まで書いた手紙を丸めて、新たな頁にペンを走らせた。