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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第4章 03
“ででで、デートに誘われたっ!どうしようっ!?”
日頃、美希の振りをしていない時の真希は、どちらかといえばクールでどこか陰のある性格をしている。それがあの日は、あんなテンパった顔で美希の元へ駆け込んで来た。思い出す度美希はクックと声を殺して笑う。
そもそも、病院の近くでしているらしいサッカーの練習を。真希があんまり足繁く見学に通うものだから美希は聞いたことがある。サッカーをしたいのか、と。
美希として振る舞う真希が、唯一美希と関係のないものに関心を寄せた。本当は男の子らしくいっぱいスポーツをしたいのではないかと思った。けれど真希は自分の運動音痴を自覚していて、観るのが楽しいのだと言い張った。それも立派な試合でなく下手っくそでパスも見当違いな方向へ飛ばすようなちびっこたちのプレイが、と。