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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第5章 #4
じっと静かな眼差しが片桐を見ていた。感情の読めないそれに片桐の汗がどっと吹き出す気がした。
「マサキの好きなようにしたらええねん」
超高速で色々考えたが出てきたのはそんな言葉だった。
「ちょっと汗流してくるわ」
練習の後なのであちこち汚れている。待たせてばかりだが致し方あるまい。
狭い風呂場の戸を締め切り一人になると再び思案した。
(めっちゃ焦ったわ。試されてんのかと思った)
美希のコスプレと真実の真希。どっちがいいかと聞かれたら、どっちも甲乙つけがたい。下心から答えるならば前者であり、真心で答えるならば後者だろう。
(下心もあるっちゅうねん)