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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第5章 #4


「兄弟で何をアホなことしてんねん!」

「え、だって美希がキスってどんなのかとか聞くから」

「すんなや!」


最速のツッコミに上田はシュンとした。


「でも言葉でなんか上手く言えねーし」

「兄弟でしても仕方ないやろ」


血が繋がっている同士ではキスをしても何も感じないのだろうか。上田はふむ、と息をもらした。


「じゃあ下級生と試してみるかな」

「こら!」


額に飛んだデコピンに上田は悲鳴をあげる。おでこを擦る仕草が無駄にまた可愛かった。


「いったいなぁ……」

「アカンやろ!キスはむっちゃ相手を好いてる気持ちを体で表現する手段やで。試しにしたらアカン」

「そうなの……?中等部に凄い慕ってくる子達いるけど」

「絶対アカン!」


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