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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第5章 #4


「マサキ、ヤバイから。マジでもう」

「……前みたいにキスとかしてくれないの?」


キョトンとして上田が問う。あんまり透明だからそれがどういうつもりかはわからないが、片桐の心は掻き乱された。


「激しいのしか出来へんで」

「なんかコツとかあるのかな」

「……は?」


上田が変なことを言い出した。眉を片方上げて片桐は上田を見下ろす。


「美希にキスしたけど上手く出来なかった」


あっさりと言われ、片桐は上田の肩に顔を伏せた。


「……片桐?」


ワナワナと肩に伝わる振動に、今度は上田が眉を潜めた。


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