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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第5章 #4
「ユキ……ベッド」
「ベッドがええのん?」
手首にキスをしたら払われてしまった。
「違う。そうじゃなくて、……もう休んだほうがいいし」
「えぇー?」
体調を心配してくる上田に、空気読めやと脳内でツッコミを入れた。
「今は熱のことよりマサキとの愛を育む方が重要やねん」
「いや、そんなのいつでもいいし!」
何でか逆にツッコミ入れられている。
「ちゃんと大事にしろ、体。健康な人間にはわかんないかもだけど……」
「あー……そうな。大事にせんとアカンよな。けど、不謹慎なコイツはどないしよ?」
治まるどころか益々興奮してしまった。赤い顔で絶句した上田が冷たくそっぽを向く。
「自分で何とかしろよ、大人だろ」
「あー熱で歩かれへん。ベッドまで連れてってやー」
嘘っぽい片桐の言葉に上田はため息をついた。