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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第6章 #5


そこには可愛らしい丸っこい字で『変態さんへ*』と書かれていた、そのまま上田を見る。

ここでこの流れはおかしいだろう、と強く思ったが。あんまり上田の目がショボショボに憔悴していたので文句は言えなかった。


中を開くと微かに病院の臭いがした気がして、静かに目で文字を追う。


『はじめまして、変態さん。私は美希です。いつも真希からお話は伺っていますが未だに名前を教えてくれないでいつもアイツとか変態とか言ってて…怒らないでくださいね?

実はもう私は死んじゃってます。書いている今は生きているけれど、貴方にこの手紙が渡されるのは私が死んじゃってる時なので、そう書きます。

貴方にひとつだけお願いがあるんです。私からの最初で最後のお願いです。

真希のこと、よろしくお願いいたします。

口は悪いけど、強がりなだけでほんとは優しいの。私がいなくなっても元気に笑えるように、心の支えになってあげてくださいね。


――美希より』



「……誰が変態さんやねん」

「あ痛っ」

「言われんでもそうするわ」


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